食育インストラクターは食育基本法に基づいて健全な食生活についての深い知識を持ち、それを広めていく人です。
「誰でもとれる民間資格」と揶揄されることもありますが、実は簡単になれるわけではありません。
この記事では、食育について指導するために最低限必要な食育インストラクター3級を目指す5パターンの方法について解説します。
もっとも簡単とされる「プライマリー」を通信講座で先に取得しているとそのあと上位を目指すのに有利になるとり方についても紹介しています。
これから「食育インストラクター」の勉強をしてみようかな?と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
参考 【がくぶんの食育インストラクター】資料請求はじめに 食育インストラクターが簡単にとれる資格だというのは誤解
食育インストラクターが簡単にとれる資格だというのは誤解です。
食育インストラクターは、入門コースから4級、3級、2級、1級と全部で5つの段階に分かれています。
入門の「プライマリー」と4級は基礎的なことを身につけるためのランクです。
プライマリーを取得すれば「食育インストラクター」と名乗ることはできます。
このプライマリー資格についてはこちらでまとめています▼
上位資格を目指して勉強を続ける
そして実際に「インストラクター」として活動するためには少なくとも3級をとっておきたいですが、3級は主に実践レベル。
その上の2級を取得すれば、「基本的な食育の知識をわかりやすく広める人」として活動できるので、名実ともに「食育インストラクター」と名乗ることができるレベルになります。
さらに2級を取得してから1年以上の実務経験を積み、課題と試験をクリアした人だけが1級に認定されます。
1級取得者は、専門的な知識を伝える普及活動に励むことが期待されています。
まずは3級へステップアップする
ということで、インストラクターらしい活動をしてみたい人の場合は、まず3級を目指すことになるわけですが・・・、
ただ、3級を目指す方法が5つもあります。
- 最も有利 入門「プライマリー」を取得してから3級を受験
- プライマリー取得者が試験を受けずに3級になる
- 4級を通学で取得してから3級を受験
- 協会主催の研修会で4級を取得してから3級を目指す(現在停止中)
- 最安 食育に関する国家資格等を取得後3級へ進む
①入門「プライマリー」を取得してから3級合格を目指す
「食育インストラクター」の中で、特別な条件がなく誰でもチャレンジできるのは、入門コースの「プライマリー」です。
通信教育のがくぶんで取得可能であるため、「受講すれば誰でもとれる意味のない資格ではないか」と思われることもありますよね。
そのため、この講座は難しい内容ではないものの、どちらかというと「上位資格までチャレンジしてみたい」と考える向上心のある人に向いています。
続いて3級へ進む
このプライマリーを取得すると、その次の4級を飛び越えて3級を目指すことができます。
参考 「資格」取得の条件(協会公式ページ)
食育インストラクター3級の受験資格は細かく定められていますが、プライマリー取得者なら「調理実技筆記試験」に80点以上で合格することにより、3級を申請できますので、かなり有利になるんです。
受験料は5500円。
合格後に3級の資格申請料として6000円がかかります。
ただ、3級の受験をするには在宅ではできません。
例年は年に1度、10月に食育インストラクター協会が指定する東京と関西の2会場で試験が実施されています。(東京都渋谷区の服部学園が東京会場)
※コロナ禍に入ってからは、オンライン受講形式で実施されています。遠方だったり家の事情で東京まで行けない・・・という方は今がチャンス!
「自宅で簡単にとれる資格」「超短期間でとれる資格」を探している人には、もっと手軽な通信講座があります。
(個人的にはおすすめできませんが)
こちらの記事で触れた「オンライン食育栄養士」などは最も手軽です▼
食の資格を比較!食育の資格の種類7つと調理師のおすすめとは
②プライマリー取得者が試験を受けずに3級になる方法
それは「推進校」に指定されている料理教室、専門学校等で調理実技を20単位履修することです。
参考ページ 食育推進校一覧
この場合、料理教室への入学金と授業料がかかります。
授業料はそれぞれの教室により差がありますが、わたしが調べたときに見つけた教室では、1回の受講料が4400円でその他にテキスト代がかかることになっています。
費用はかかってしまいますが、講師の方に直接教えてもらえることや、実技が身につくこと、質問もしやすいなどのメリットがあります。
③食育インストラクター4級を通学で取得してから3級を目指す
初めての人は、この4級を取得してから1段階ずつ上位の級へ進むのが協会で最も推奨されているとり方です。(実力を身につけながら進めます)
4級になるには、推進校として認定されている料理教室、専門学校に通って指定の講座を受講後、試験を受ける必要があります。
この場合、90分以上の調理実習を6回と45分以上の食育の授業を6回の合わせて12回の授業を受け、その後認定試験に合格しなくてはなりません。
各料理教室のコース日程によりますが、ある教室ではこの12回の講習を月に2回ペースで実施し、6ヶ月かけて修了するというスケジュールが立てられています。
授業料は各教室により異なります。
小規模な料理教室の場合なら、もう少し速いペースで進めてくれるかもしれませんが、どちらにしても食育の知識と料理の技術の両方をじっくり学ぶ必要があります。
短期間で簡単に取得できるとは考えないほうが良いですね。
この方法は通学した教室で4級の試験を受けられるというメリットがあります。
4級に合格後、さらに推進校での実習・講義を受けて3級を目指すことができます。
3級の試験も同じ推進校で受験できます。
④協会主催の研修会で4級を取得してから3級を目指す
推進校の料理教室に通う代わりに、食育インストラクター協会が主催する研修会に参加してから2つの試験を受ける方法です。
正確には、調理実技講習を受けてから調理実技に関しての筆記試験を受け、
さらに資格認定研修会として6単位を受講してから、食育筆記試験を受ける必要があります。
ただし、研修会はこの数年実施されていないようです。
そのため費用についても詳しいことはわかりませんでした。
食育インストラクター4級よりプライマリーが有利な点
ここで一息ついて4級とプライマリーの違いを考えてみたいのですが、
3級へのレベルアップを目指す目的であれば、食育インストラクター4級と、通信で取得できるプライマリーは同程度の資格になります。
ということは・・・?
確かに4級を料理教室に通学して取得する場合と比較すると、
プライマリーコースを受講するほうが費用がわかりやすく、期間も短く確実に取得できるという特徴が。
さらに、4級取得してから3級を受験するのと、プライマリーを取得してから3級を受験するのとでは必要な要件が違います。
(プライマリーのほうが要件が少なく、有利)
推進校にて
調理実習受講(20単位)
食育授業受講(6単位)又は3級資格認定研修会受講(6単位)
食育筆記試験(60点以上合格)
※費用は各推進校の規定による
調理実技筆記試験(80点以上合格単位) 5500円
または
推進校にて 調理実習受講(20単位)
※費用は各推進校の規定による
それで「料理教室に通う暇はない」「自分で計画的に勉強を進められる」という人なら、通信講座でプライマリーを取得してから3級を受験する方法が最短ということになります。
参考 【がくぶんの食育インストラクター】資料請求⑤食育に関する国家資格等を取得後3級へ進む
食育に関する国家資格等を持っている人は、食育インストラクターの3級から受験できます。
管理栄養士、栄養士、専門調理師、調理技能士、調理師、
家庭科教諭、製菓衛生師、
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、
介護福祉士、保育士、保育ママ、歯科衛生士、臨床検査技師、小・中学校教諭、
大学・短大の食物科・栄養科等卒業者又は卒業見込み者、
食育に関する国・地方公共団体の特別業務就業者 等
受験の前に6単位の研修会を受講する必要があります。
研修会費用は10000円。
その後、食育筆記試験(5500円)を受験し、60点以上で合格です。
3級の試験に合格後、2級受験へ進むことができます。
国家資格等を持っていて、なおかつプライマリーを取得している人は、直接食育インストラクター2級取得にチャレンジ可能!
通常、食育インストラクターの試験は年に1回です。
3級取得後1年経ってから2級に挑戦しなくてはならないところ、通信教育でプライマリーを取得しておけばいきなり2級の試験を目指せるということになります。
ここでもプライマリーコースが有利に働くのですね。
この方法で取得した人は、「食育に関する国家資格等」も合わせて持っているわけですので、さらに上位資格に進む場合は2級へチャレンジということになるようです。
まとめ
この記事では、食育インストラクターとして活動していくために3級を目指す場合の方法を解説しました。
最も費用が少なくて済むのは、国家資格等を持っている人の場合でしたが、
そうでない場合は通信講座でプライマリーを取得してから3級へ進むパターンが金銭的・時間的に見ると有利です。
もちろん料理教室に通って4級から3級まで取得する方法も、実力が身につくという意味ではいいと思います。
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