家庭菜園のにんにくを垂直仕立てで栽培したところ、大満足の結果となりました。
北海道の札幌近郊で育てたにんにくの様子をご紹介します。
にんにくの垂直仕立てとは
大きく立派なにんにくを収穫するには、肥料をきちんとあげる必要があるんですよね。
それなのに、無肥料でよいというのが垂直仕立て栽培です。むしろ肥料のある畝で垂直仕立てをするとあまり成果が得られないとか。
この垂直仕立て栽培は道法正徳さんという自然栽培指導をされている方が提唱している栽培法ですが、科学的な理論がしっかりしているのが魅力。
わたしのことばでごくごく簡単に説明すると・・・
葉が倒れないように縛ったり支えることで、成長ホルモンが活性化し、根をよく張って肥料をやらずとも自ら土の栄養分をしっかり吸収するようになる栽培法です。
植物全般に共通ですが、茎や葉が倒れると起き上がろうとして植物は余計なパワーを使ってしまいます。
でもまっすく支えておけば、実の肥大や根の充実にそのパワーを使えるのでメリットがある、ということも言えます。
我が家のニンニク垂直仕立て栽培記録
我が家のにんにくの場合は、冬越し後に葉が伸びてきたところで紐を張って挟める方法で垂直仕立てにしました。
9月16日に植え付け
ミニトマトを育てている畝の肩を少し広げ、整地して黒マルチを張り準備。
トマト畝なので高畝になっています。
元肥は入れていません。
昨シーズンに作ったにんにく(福地ホワイト6片)を種球にして植え付けました。
3球をばらして使い、さらにちょうどその頃もらった農家さんのにんにく1球もバラして植えました。
(全部で20数カ所に植えたのですが、結果的に収穫できたのは18球。ちいさいものは植えても育たなかった模様。)
株間は15センチ、深さは人差し指をズボッと入れて開けた穴に落として土を被せました。この方法だと、上にかぶる土は2センチ前後になります。
約一ヶ月で発芽
10月12日、発芽を確認です。(ハコベも一緒に顔を出している)
成長中
順調に成長中です。10月24日の様子。だいたい12センチほどに伸びています。
ここから葉を束ねて垂直仕立てするとよいそうですが、小さすぎて縛れないので断念。
このあとそれほど背丈は伸びず、そのまま雪の下になりました。
雪解け後
大雪で畑の雪解けも遅かったですが、黒マルチをしていることでにんにくの植えた箇所だけ早めに溶けてくれました。
4月11日の様子です。
生育再開
4月23日の様子。生育を再開したようで、青々とした新しい葉が伸びてきています。
この日、畑をのぞいたお隣さんにほめられました。
「それはネギ?えっ、にんにく?!すごく大きくなっているね!うちのなんかひょろひょろ~だよ!」
身振り手振りで説明してくれましたが、お隣のにんにくは今、ほんとにヒョロ~と鉛筆くらいに細いそうです。
きっと黒マルチしたのが良かったのではないか、ということに。
マルチを外し支柱立て
5月9日、急に初夏のように暑い日が続いたので黒マルチを外しました。
黒マルチをしたまま育てても良いようですが、蒸れてしまいそうと思ったことと、水やりがしにくいので外すことに。
(しかしこのあと悪天候の寒い日に逆戻り、外さなくてもよかったかも)
そしてこのタイミングでにんにくエリアの両端に細い支柱を立て、麻紐を渡して垂直仕立て開始しました。
紐をずらしながら栽培
6月14日、だいぶ背丈も伸びています。
成長に合わせて紐をずりあげます。
6月30日花芽
6月30日、花芽をいくつか収穫です。
でも花芽がのびてきていない株がいくつもあり、変だな?と。
7月4日試し掘り
7月4日、下の葉が茶色く枯れてきたので、試し掘りをすることに。
うーん、ちょっと早かったかな?
他の株はもう少し置いておくことにします。
にんにくはおしりの部分が平らになったときが収穫適期と言われています。
でもこれはまだ丸みがある気がしますね。
逆に凹むくらいになってしまうと遅いのだそうですけど。
7月8日サビ病発見
数日前まで気づかなかった、さび病を発見しました。
サビ病はにんにくや玉ねぎ、長ネギなど、ネギ属に発生する病気です。
最初に白っぽい斑点ができ、そのあと赤い胞子をもつ病変ができます。増えると葉全体を覆うほどに広がり、光合成ができなくなってしまいます。
もう収穫間近なのであまり気にしなくていいのですが、放置して胞子が飛んでしまうと畑内の他のネギ類にも感染ってしまう。
病変がある葉を切り取り、胞子が飛ばないようそっと集めてゴミへ。
そしてストチュウスプレーで葉の表面をアルカリ性にします。アルカリ性ではサビ菌は不活性化するそう。
さらに、根本には有機石灰をばらまいて軽く混ぜました。
サビ菌は土から発生するそうなので、少しでも増殖を抑える目的です。
7月13日全収穫
7月13日、さび病はそれほど広がらず、葉がだいぶ枯れてきたので収穫適期と判断。
全部掘ることにしました。
茎を引っ張って抜こうとしたのですが、あれっ、抜けません!
ミニシャベルを深めに差し込んでぐっと起こし、ようやく抜けてきました。こんなに根が張っているのは初めてです。
しっかりしたにんにくが育っています。
そして、花芽が出てこなかった株はこんなことになっていました。
茎の途中に膨らみがあり、開くとそこにも小さなニンニク球ができていたんです。
調べたところ、これは病気や変異というよりも、生育が良すぎて起きる現象のよう。びっくり。
肥料、全くあげていないのに。ということはやはり垂直仕立て栽培で生育力が上がったせいと言えるのかな?
ちなみに、2段めにできている部分も食べられるそうです。
軽く土を払って半日ほど乾かしてから、一番上の皮を剥がすとむきやすいです。(乾きすぎるとむきにくい)
輪ゴムで束ねてぶら下げて乾燥させました
。
売っているニンニクのようにしっかり乾燥するには1ヶ月くらいかかるそうですが、乾燥しきらないみずみずしいまま調理に使うのも美味しいですよね。
大きい球が採れました
かなり大きめの球もできていました。
家庭菜園に関心のない家族にも、「おっ、すごく立派なのができたね」と言われて鼻が高い 笑
来シーズンの種を取り分けておく
7月23日、しばらく乾かしていましたが、来シーズン用に種にする分を取り分けるために表面の皮をむいて確認。
きれいに6つに分かれているものを優先して種にしようと思います。
薄皮が紫色がかっているのが気になりましたが、これは乾燥が進むにつれて目立たなくなります。中身は白いので大丈夫。
種にする分はバラバラにして日陰で乾かします。カラカラにする必要はありませんが、カビなどが生えて傷まないように保管します。
このあと北海道では9月下旬に植え付けます。
にんにくの垂直栽培まとめ
北海道の家庭菜園で、ニンニクを垂直仕立てで育てました。
無肥料でも立派に育って嬉しい結果に。
一列に植えて紐を渡す方法が簡単だったので、次回もこれで栽培したいと思っています。
葉を立てるだけでこんなに変わるとは思いませんでした。興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
参考にしたのはこの本▼
最後までご覧いただきありがとうございました。
北海道のにんにくの育て方はこちらでまとめています。
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