家庭菜園で枝豆を作ると、採りたての豆ってこんなに美味しかったのか!とびっくりします。
北海道は大豆の産地。ということは、枝豆を育てるのにも向いています。
家庭で育てるのも簡単ですが、少しだけコツがあるみたい。
枝豆の土作りは肥料なしで
まずは枝豆を育てる土作りです。
なぜかというと、豆類は自分で根に養分を蓄えて根粒を作ることで知られています。
その根につく根粒菌が空気中の窒素を取り入れるそう。
逆に肥料分が多いと、葉っぱばかり茂って実が付かないそうです。
空気中から取り入れられるから肥料もあげちゃうと多すぎちゃうんですね。
ただし、苦土石灰か貝殻石灰を入れて中和する必要はあります。
それから土が過湿状態だと、根が腐ってしまいます。
だから水はけが良くなるように、高さ10cmくらいに土を盛り上げた畝にするといいそうです。
ちなみに、豆類は連作できないので、2年間は枝豆を育てていない場所で土作りしてくださいね。
すぐ枝豆の種をまきたいところですが、ちょっと待って~
家庭菜園での枝豆の種まき時期は温かくなってから
枝豆の発芽適温はかなり高くて、25度以上です。
そこまで待っていられない!
そこで、北海道ではできるだけ土の温度を上げる工夫をしてあげなくてはいけません。
枝豆には保温マルチをしてあげよう
土作りが終わったら、枝豆を植えるエリアには早めに保温用のマルチシートをかぶせておきましょう。
マルチシートには黒やカラーのものがありますが、保温を重視するなら透明のマルチシートがおすすめ。
畝の幅に合わせたサイズを選んで購入しましょう。
イメージ的には黒のシートの方が日差しを集める気がしますが、熱が遮断されてしまってシート表面は厚くなるものの、土には熱がそんなにいかないのです。
透明シートと比べると、直接日光が土に届いて地温を上げる効果がより高いのは、黒マルチよりも透明マルチの方。
そして土に集めた熱が逃げないようにすることができるので効果的なんですね。
そうすることで寒い北海道でも地温があがり、気温がまだ25度までいかなくても土の中は温かい状態を作ることができます。
枝豆の種のまきかた
気温の平均が高くなってきて、毎日20度以上の日が続くようになったころ、保温しておいた畝に種まきします。
マルチシートにカッターで切込みを入れ、1か所に3粒、種まきします。
土をちょっと手でへこませておいて、そこへ種のくぼみを下にして置きます。
上に土をかぶせ、ポンポンと押さえます。
数か所にまくときは、20cmの間隔をあけておきます。
枝豆の根は浅く広く張るので、あまり狭いとうまく育ちません。
なお、家庭では収穫時期をずらして少しずつ食べられるように、1週間から10日くらい種まき時期をずらしてまくといいです。
うちでは一畝に9本くらい育てて、3回にわけて収穫できたらいいなという予定で、種まきも3か所ずつ3回に分けて行うことにしています。
種まきが終わったら、鳥たちがまいたばかりの豆を食べてしまわないよう、発芽するまでビニールの穴を何かでカバーしておきます。
わたしは上にその辺にあった木切れをのせておきました。
豆は光がなくても発芽するので、芽がでたらよければOK。
ただしあんまり重たいものは載せないほうがいいと思います。
芽が出たら、あとは安心。
3か所全部芽が出ている場合は、ハサミでカット、間引きをして1本か2本にします。
2本にしておくことで、競争して育つので丈夫になるという説がありますよ。
枝豆の水やりポイントは
マルチシートをかぶせたまま育てていれば、ある程度の保湿力があります。
ですから水やりは頻繁にしなくてOK。
逆に水をあげすぎると、枝豆は徒長気味になってしまいます。
雑草に水分を奪われないように注意
ただし、透明のシートは中で雑草が茂ってしまうことが多いですので、その雑草に水分を奪われてしまうことも。
その対策としては、時々シートを部分的にめくり、その下の雑草を抜きます。
これはミニ熊手を使うとらくちん。
そして枝豆の根元に土を寄せてやると、根が酸素を取り入れやすくなって根がしっかり張ってくれます。
シートをめくったついでに土がからからになっていたら、適度に水をやります。
そのあとでシートを元通りかぶせておきます。
枝豆の花が咲いたら水やりはこまめに!
枝豆のさやをたくさんつけるために、花が咲いた後は定期的に水やりが必要です。
と言っても、一度に大量に水をあげるのは根腐れのおそれがあるので、土の乾き具合を見ながら、定期的に適量をあげるのが大切。
そして、ここで初めて肥料をやります!
大さじ1くらいの鶏糞を足元にばらまいてやるだけでOK。
枝豆の支柱は必要?
大きく育ってきました。
手前に茂っているのが枝豆。
奥の背の高いのはミニトマトです。
枝豆の背が伸びてくると、支柱をしたほうがいいのかな?と迷いますが、普通はしなくても大丈夫です。
特に2本寄り添って育っている場合は、お互いに支え合っていますしね。
ただし、倒れそうだったら支柱が必要なことも。
小さめの支柱を土にさしたところへ1株ずつひもで結んでやるか、枝豆エリアの4隅に立てた支柱に紐を張って、全体の枝豆を支えるという方法があります。
台風がくるとか大雨などで荒れそうなときは、予防で支柱をしてあげると安心です。
家庭菜園の枝豆収穫時期の見きわめ方
枝豆は収穫の適期を見逃すと、固かったり甘みが足りなかったりします。
じゃあ、いつ頃がいいのかというと・・・
さやがふっくらしたら、です。
枝の一部にまだ未熟なさやがいくつかあるかな、くらいがベスト。
時間的には花が咲いてから1か月と言われています。
株ごと収穫して、さやをはさみで外し、茹でます。
もし茹でるまでに時間がかかるときは、枝から外さずに保管したほうが旨みが逃げません。
でも、私は未熟なさやを採ってしまっても捨てるだけでかわいそうだなと思い、株ごと収穫しないで熟したさやだけをカットしてくる、という収穫方法もやっていました。
株元の日が当たらないところのさやや、上の方であとから花が咲いた部分のさやは未熟なので、まず膨らんだ真ん中部分の枝豆だけ摘み取って収穫すればいい。
ちょっと面倒ではあるけど、しばらく置くと未熟だったさやもふくらんで食べられるようになります。
そのかわり、さやだけカットする場合は鮮度が落ちやすいので、収穫したらできるだけ早くゆでてしまわないといけません。
美味しい枝豆の茹で方はこちらの記事で書きました。
「枝豆の茹で方・時間は短めにしたほうが甘くておいしい食感キープできます」
北海道で注意したい枝豆の病害虫
枝豆の害虫としてはヨトウムシがいます。
ヨトウムシは葉っぱをむしゃむしゃかじってどんどん食べてしまいます。
夕方や朝早くに見つけやすいので、見回りをして見つけたら箸でつまんで駆除しましょう。
昼間暑い時間帯は、土の中にもぐっているので、枝豆の株の周りをちょっと熊手などでひっかいてやると見つかることもあります。
アブラムシやカメムシも枝豆が好きです。
葉のエキスを吸って弱らせてしまいます。
アブラムシを発見したら、ガムテープで貼り付けて駆除するのがおすすめ。
カメムシにもガムテープが有効ですよ。
枝豆は病気には強いので、あまり心配いりません。
水をあげすぎて根腐れを起こすのだけは注意ですが、前述の水やりのポイントを守っていれば大丈夫です。
北海道の家庭菜園でおすすめの枝豆の品種はこれ
枝豆には3種類あります。
緑色の豆、茶色っぽい「茶豆」、黒い豆の「黒豆」です。
茶豆や黒豆はすごく美味しいですが、ちょっと種も高かったり。
ですので、我が家では普通の緑の枝豆で早生のものを選んでいます。
「幸福えだまめ」って、名前がいいでしょ。
これ、何年か続けて作っていますが、とても育てやすい枝豆です。
これは早生タイプだそうで、特に夏の短い北海道では早生のほうがいいと思います。
種まきの時期を少しずらせば夏の早い時期から秋に入るまで収穫できますしね。
「幸福えだまめ」の説明。
やはり発芽適温は20℃から30℃と高いですね。
北海道の枝豆育て方のまとめ
枝豆は家庭菜園初心者でも簡単に育てられます。
ただし、発芽や生育の適温が高いので、北海道では土の保温が重要です。
春先早めに透明のマルチシートをかぶせて地温を上げておくことができれば、5月半ばくらいから種まきしても芽が出ます。
土に肥料は入れなくてOK。
花が咲いた後は、少量の追肥をするとさやがうまく膨らみます。
花が咲くまでは水やりは控えめ、花が咲いたら定期的に水やりをすることでさや付きが良くなります。
我が家で試して良かった方法・アイデアなどを目次にしてあります。
よろしければあわせてご覧ください。