家庭菜園で定番のミニトマトは3,4株くらいは育てたいですが、苗をたくさん購入するとそれだけで結構な金額になってしまいますね。
でも成育旺盛な脇芽を利用すると、苗をつくることができますので、必要以上の数を買わなくても大丈夫。
我が家で実践しているやり方をご紹介しますね。
ミニトマト、中玉トマトをたくさん育てたい人はぜひご覧ください。
苗をたくさん買うと予算オーバー?!
ミニトマトの苗は100円前後で購入できますが、挿し木苗やちょっとかわった品種の苗を買おうとすると198円、298円、もっと高いものも。
それに1株だけで万が一失敗したら嫌なので予備の苗も買っておこうと思うと、もう苗代だけで出費がかさみますよね。
「苦労して育てるより、安いお店でトマトを買った方がいいんじゃないの?」なんて家族に言われてしまうと辛いところです。
トマトの場合は簡単に苗を増やすことができます。
丈夫で元気そうな苗を1つ購入すれば、その脇芽を挿し芽して根付かせることが可能なんです。
わたしもこれまできまぐれでミニトマトの脇芽を空きスペースに挿して育てたりしたことはありますが、それだけでもちゃんと根付きます。
でも今回は根をしっかり育ててから移植する方法を試してみました。
そうすれば確実に育つ苗になります。
脇芽から作る苗の注意点
ただ、注意したいことが一つ。
脇芽を使うと、親苗より少なくとも2,3週間は成長が遅れます。
夏の短い北海道の場合は、遅くに植えると収穫できるまで育てられなくなってしまうのが心配ですよね。
大玉トマトだと気温が下がると色づかなくなってくるので、北海道で遅く植えるのは厳禁。
でもミニトマト、中玉トマトなら比較的寒さに強く、秋の終わりまで収穫ができますので大丈夫です。
プランター栽培がおすすめ
できれば脇芽から作った苗はプランターに植えるのがおすすめです。
収穫が遅れても、プランターなら室内に取り込むなどお世話ができるから。
我が家では、今年は中玉の「フルティカ」とミニの「ミニキャロル」で実践しています。
トマトの脇芽と脇芽かきとは
ちなみに、はじめての方のために、トマトの脇芽とはトマトの枝分かれした付け根に出てくる小さな芽のこと。
すべての付け根から脇芽が出て、それがすべて枝になるため、そのまま放置していると栄養が分散して収穫量が減るといわれています。
それで大玉トマトなら主枝1本だけを育てるのがベストと言われていますし、ミニや中玉でも2本だけをのばす「2本仕立て」にし、それ以外の脇芽は見つけ次第こまめにとっていくことが勧められています。
その作業を「脇芽かき」と言います。
(ただし、品種によっては放任栽培できるものがあり、その場合は脇芽をとらずに伸ばして枝数をたくさんにして育てる「ソバージュ栽培」が可能)
手順1:元気な脇芽を使う
それでは、脇芽から作る苗の作り方手順を説明しますね。
苗にするのに向いている元気な脇芽を見つけるところから始めます。
脇芽の中でも勢いが強いものは、花芽のすぐ下にできるものです。
別の位置の脇芽と比べてみると、花芽の下には大きくて立派な芽が出てきているのがわかります。
この元気な脇芽が、挿し芽用にぴったり!
花芽の下に出てきた脇芽は、10センチくらいの長さになるまでそのまま伸ばしておきます。
※もし花芽の下のがなければ他の位置の脇芽でもできます。
手順2:脇芽を水挿し発根させる
ちょうどよい大きさに脇芽を成長させたら、清潔なハサミで根元からカットします。
とってきた脇芽は水に入れて根を出させます。
この写真は6月12日にとった脇芽(中玉トマトのフルティカ)を小さな瓶に入れて水挿ししているところ。
このとき、腐敗防止と早く根が出てくるようにするための薬品として「メネデール」を使うのもおすすめです。
脇芽から根が出てきた
6月20日、たくさん根が出てきているのを確認。
なんと花までついています。
ここですぐプランターに植えても根付きますが、もう数日、水の中で根が長く伸びるまで成長させてから土に植えると確実です。
わたしはこのあとすぐ植えられなかったので、とりあえず大きめ12cmのビニールポットに植えておきました。
ビニールポットの中でしっかり根を成長させると、もう市販の苗と変わらない頑丈な苗になります。
手順3:プランターに定植
7月7日になってからプランターに作った苗を定植。
コロナ対策のため通販でプランターを取り寄せていたらこんなに遅くなってしまいました。
でも二つの苗とも元気!
ミニトマトの脇芽苗は出遅れ
こちらはミニトマトからとった脇芽苗。
ミニトマトは苗を増やさないでおこうと思っていたのですが、プランターを多めに用意できたのであわてて脇芽を探して根を出させたりしていたので、中玉トマトに遅れること数週間。
ビニールポットに植えたのが7月6日です。
その後、ミニトマトの脇芽苗をプランターに植えたのは7月25日。
天気が悪くてつい伸ばし伸ばしにしていたら、苗がかなり大きくなってしまったので慌てて植えました。
既に高さ30cmほどに伸びていて風格ありです。
ミニトマト用のプランターはアップルウェアーの果樹鉢がぴったり
ミニトマト、中玉トマトに限らずトマトを育てるときは、深さが30cm以上あるプランターが必要です。
横長のプランターだと2株植えることもできますが、移動したいときに重くて大変になりますよね。
それで今回は1株ずつ、丸いプランターに鉢植えしました。
実は果樹用のプラスチックの鉢なんです。
「アップルウェアー」というメーカーの「果樹鉢310型」は直径31cm×深さ32cm。
普通の鉢のサイズで言うと10号の深型になります。
これがこのサイズの鉢やプランターの中では最安で、しっかりしていてすごく気に入っています。
このプランターは底が外せるようになっているのもお気に入りポイント。
植え替えや片付けのときに底が外れるととても楽なんですよね。
同じプランターを使ってリンゴのアルプス乙女の苗木も植えています。
こちらは「果樹鉢」本来の使い方ですね。
その後の経過:脇芽からのトマト苗は順調に成長中
これは8月1日のミニトマトの様子。
ちょうど葉の陰になって写真では見えにくいですが、1段目には青い実が、2段目には黄色い花が咲いているところでとても元気です。
足元にはコンパニオンプランツとして赤紫蘇を植えています。
連続2段摘芯で栽培すると背丈を低く抑えられる
こちらは8月8日の中玉トマトの様子。
ちょっとわかりにくいのですが青い実がたくさんなっています。
まだ小さいですがここから膨らんで中玉サイズになるはず。
そしてこのプランター植えのトマトたちは「連続2段摘芯」で育てています。
これはどんどん主枝を切り替えて育てていく方法。
背を低く抑えられるので、プランター植えにぴったりだなと思っています。
2段目の花芽が実になってきたところで主枝の先をカット。
かわりに伸ばしておいた下の脇芽を主枝として育てる。
これを繰り返す。
まとめ
ミニトマト、中玉トマトの脇芽をつかって苗を増やす方法をご紹介しました。
北海道の場合、脇芽から増やす苗はプランターに植えるのがおすすめです。
天候に合わせて移動したり、寒くなってきたら室内に取り込んだりできるからです。
地植えでは6月に植えて冬直前まで収穫ができるミニトマト。
脇芽苗だと数週間遅れてしまうので、しっかり収穫するためにはプランターでちょっと目を掛けてやって育てるといいと思います。