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カシス(ブラックカラント)の育て方まとめ|北海道の家庭菜園


我が家の果樹の中で特に気に入っているものがカシス(ブラックカラント)です。

北海道では育て方は難しくないので、とてもおすすめの小果樹です。
庭や菜園の端にそっと植えておくと楽しみが増えること間違いなし。
濃くてきれいな赤紫のジャムができます。うちではルバーブジャムの色付けに欠かせません。

この記事では、我が家の栽培写真とともに、カシスの北海道での育て方のコツを解説しています。
ブラックカラント栽培をしてみたい方に、参考にしていただけると幸いです。
(北海道以外の地域では、いくらか異なる部分があります)

カシスの特徴・おすすめポイント


カシスはユキノシタ科スグリ属の植物で、北欧原産です。そのため涼しい気候を好み、北海道では特に育てやすい果樹です。

「カシス」とはフランス名
日本名では「クロフサスグリ」
英名では「ブラックカラント」といいます。

 
そしてこんなところがおすすめできるポイントです。

  • 病害虫が気にならない
  • 耐寒性が強い
  • トゲがない
  • 美味しいジャムになる
  • 苗が安い
  • デメリットかも? においが「猫のおしっこ」?!
 
詳しくはこちらの記事で解説していますので、どうぞご覧ください▼▼

カシスの育て方:栽培場所

【カシスに最も適した栽培場所は】
日当たりのよい場所です。
午前から午後通して日が当たる場所がおすすめ。

育て方を調べると、「半日陰がよい」「午後からは日陰になる場所が良い」などと出てくることが多いのですが、これは本州での場合。
北海道で育てるならこれは無視してよさそうです。
夏の気温と湿度がそれほど上がらない北海道では、暑さや西日対策よりもたくさん日を浴びるほうが大事です。
これは我が家でカシスを植え付けてからの試行錯誤でわかったことなんです。

詳しくはこちらの記事で書いていますので、興味ある方は御覧くださいね▼

カシスの育て方:植え付け方法

用土は特に選ばない
深さ30センチ・直径60センチ程度の植え穴を掘る
根を広げてやや深植えで植え付ける
しっかり灌水する

 
1.カシスの苗木を植え付けるときは、深さ30センチの穴を掘ります
用土は弱酸性を好みますので、北海道の場合特に気にする必要はありません。
ブルーベリーなどは酸性用土が好きなのでピートモスを~とか鹿沼土を使って~とかちょっとむずかしいですが、カシスは庭の土そのままで大丈夫です。
ただ、これまで何も植えていなかった場所に植える場合は、掘り出した土の3分の1程度に完熟腐葉土を混ぜると柔らかい土になります。

2.カシスはあまり深くまで根を張りません。苗木ポットから出したら、そっと根を広げるようにして土に置くと良いでしょう。
苗の根元部分がすっかり土に隠れる高さに調節して植えます(やや深植え)。
根が見えてしまうようだと浅すぎますし、苗の幹部分が埋まりすぎてしまうと深すぎです。

3.土を埋め戻したときに周りと同じ高さになるように整えます
(これはカシスが水分を好む木だから。逆に乾燥気味が好きな植物は盛り上がるように植えます)

4.最後にしっかり水やりをします。
根の間に土が入っていき、少し土がへこんだら、土を足して平らになるようにします。
 
我が家でカシスを植えたときの記事はこちら▼

 
※カシスは鉢栽培も可能です。市販のプランター用の土に植えればOKです。

カシスの育て方:水やりのポイント

カシスの花のつぼみがついているところ。5月はじめころ。

カシスの水やりは数日に1度、朝か夕にたっぷりと

カシスは比較的水を好む植物です。乾燥に弱い植物、と言ったほうが正確かもしれません。
地植えでも雨がなかなかふらないようなときは、たっぷり水やりをしましょう。

我が家のカシスも、夏など、水が足りないときは葉が元気なくしおれているのですぐわかります。

ただし、どの植物にも共通しますが、暑さ真っ盛りの時間にぐったりしているからといって水やりしてはだめ!
水がすぐに熱くなり根が傷んだり葉が焼けたりしてしまいます。
日差しが弱い朝または夕方に水やりしてください。

また、根本からの蒸発を防ぐために、刈草やわらなどで根本を覆っておくとよいでしょう。

そして注意点がもうひとつ。
カシスは蒸れに弱い性質があるので、水のやり過ぎは禁物です。
少量の水を毎日少しずつあげるのではなく、数日に一度、土が乾いているのを確認したらたっぷり水をやるようにします。

またカシスは真夏になる前に収穫を終えますので、暑い時期の蒸れを防ぐため収穫後に夏剪定をして風通しを良くしておくことが良いことも。
株が混み合っているよく茂ったカシスの場合におすすめです。

カシスの育て方:肥料

肥料はなくてもいい

カシスは野生的なので、あまり肥料を必要としません。
日当たりさえよければ大丈夫です。

肥料を与えるとすれば春先に、少量の油かすなどを周囲の土に浅く混ぜるようにします。
野菜に使うような化学肥料等でもいいです。
鉢植えの場合は、年に1度春に玉肥を与えると良いそうです。

しかし、わたしの栽培した感覚としては、春先に肥料を与えることで春先の害虫のアブラムシが増えてしまう感じがします。
だからもう肥料は与えていません。

そのかわり、冬になるまえにコンポスト容器で作っている自家製堆肥をカシスの株元を覆うように載せています。
(土には混ぜません)
これは肥料分というよりも、夏の間の水やりで多少目減りした土の補いにもなるし、冬の雪の圧に対する多少のクッションになるかな、という気持ちでやっています。
(カシスだけに行っているのではなくて、冬支度として宿根の作物にはどれも同じようにしていることなのですが)

カシスの育て方:実の収穫のコツ

真っ黒に熟した実をつまんで採る

カシスの実は緑色から赤色、そして黒へと熟すのに合わせて色が変わっていきます。
真っ黒になった実はポロッととれやすく、収穫は簡単です。完熟でも実は固めなのでつまみやすい。
黒く見えるのに引っ張ってもなかなかとれてこない実は、まだ熟していない証拠なので無理に採らず、数日待ちましょう。

一度にたくさん摘もうとすると手のひらから転がりおちてしまう事が多いので、大きめの容器を下に置いて、ポンポン投げ入れられるようにしておくと便利です。

枝の下の方の実から順に熟してくると言われていますが、我が家のカシスを見ているとそうとも言えないような。
収穫期には2,3日に1度のペースで見に行き、黒い実だけ集めるようにしています。
収穫期は3週間位で終わりです。

カシスの実の保存方法

ブルーベリーより一回り小さいサイズです。

すぐ傷むので冷凍保存がおすすめ

完熟のカシスの実は、とても傷みやすいです。
採ってきて常温に放置していると、柔らかくなってしまいます。黒いのでわかりにくいのですが、傷んできているのですね。

さっと洗ったらすぐ冷やしておくか、すぐ冷凍してしまいましょう。

私は冷凍しておいてある程度たまったところで、まとめて調理しています。
冷凍なら半年以上おいたものでも美味しいジャムにできます。

カシスの美味しい使い方

カシスとルバーブのジャムが我が家の定番。

ジャム、ドリンクなど

カシスはやっぱりジャム!
ペクチンが多い果実で、ゼリーのように固まります。
だから水を多めにしてゆるい状態で火を止めても、冷やすとしっかりしたジャムになりますよ。
最も簡単なのは、砂糖をまぶして電子レンジで加熱すること。
簡単にソース状になります。
ジャムにしてからドリンクに混ぜたりアイスに混ぜたり、クリームチーズと合わせたりといろいろな使い方ができます。
ちょっと変わったところでは、ビールとカシスドリンクを合わせるカシスビアというカクテルもおすすめ。

カシスの育て方:夏越し方法

根本に草マルチをして乾燥対策を

北海道では、カシスの夏越し方法を特に気にする必要はありません。

ただ、最近は気候が変わってきて北海道も猛暑の夏があったりしますね。
我が家のカシスも、強い日差しの猛暑のときには葉がしおれるだけでなくすっかり焼けてしまって黄色くなる葉がたくさん出たことがありました。

このような場合は、朝の水やりをしっかりすることと、日差しが強すぎる場所なのであれば日除けネットなどを被せる方法があります。
ただし、カシスは蒸れに弱いので、日除けをかぶせたことによって風通しを悪くしてしまっては逆効果です。

多少葉が枯れてしまっても、根が枯れなければ再生します。
根を保護するために、刈草などで草マルチをする方法が有効です。

カシスの育て方:病害虫の対策

アブラムシ・・・春に注意
うどんこ病・・・夏に注意

カシスは深刻な影響が出るほど病害虫に侵されることはほとんどありません。

ただ、生育環境によってアブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
これは風通しをよくすることと、窒素分の多い肥料をやめることで解消できます。

我が家のカシスにも、春先の柔らかい葉にアブラムシが沢山ついていることがあります。
でも、同時にてんとう虫がアブラムシを食べに来て卵まで生んだので、アブラムシの駆除になりました。

てんとう虫の幼虫です。
幼虫もたくさんアブラムシを食べてくれます。

もしそういった益虫が来てくれる見込みがない場合や、一刻もはやく駆除したい場合には、テデトール(手で取る)がおすすめ。

【私のアブラムシ駆除方法】
もちろん素手ではためらわれるので、濡らしたスポンジを使ってアブラムシのいるあたりの葉を優しくなでるようにします。
水を入れた容器でスポンジをゆすぎながら、なんどか繰り返すと簡単に駆除ができますよ。

 
葉が白くなるうどんこ病が発生したときは、風通しがわるいことが主な原因です。
カシスの周りの雑草が茂りすぎていないか確認しましょう。草刈りをするだけでも風通しはかなり変わります。
刈った草はカシスの乾燥防止のために根本に敷き詰めておけば一石二鳥です。

我が家のカシスは塀のそばに植えているため、ときおりうどんこ病になった葉を見つけることがあります。
暑くて乾燥する夏に多いです。
この場合は、白くなった葉を取り除き、周囲の風通し改善を心がけるとひどくならずに済んでいます。

よく野菜に使う「木酢液」や「ストチュウ」のスプレーをかけてアルカリ性にすると改善することもあります。

カシスの育て方:剪定方法

葉がほとんど落ちた晩秋のカシス。

【カシスの剪定】
数年に1度、冬になる前に枝の3分2程度に切り詰める

 
カシスの剪定は難しくありません。
カシスは枝全体に花芽がついて実がなりますので、どこから切っても大丈夫なんです。
ちょっと高さが大きくなりすぎたな、と思ったら3分の2から半分近くの高さまで切ってしまってOK。
小さくしたからといって翌年実がつかないという心配はありません。

ただ古くなった枝(5年以上たつもので見るからに茶色くゴツゴツと古そうな枝)は、枝の先の方にしか実をつけなくなってきます。そこで古い枝は根本から切ってしまう方が良いでしょう。
古い枝をカットすることで、新たな枝の発生を促すことにもなり、株全体の若返りが期待できます。

北海道の場合、カシスの葉がほとんど落ち、冬囲いをする直前(10月末から11月)に剪定をします。
または春に雪が溶けた後、冬囲いを外したときに、折れてしまった枝の整理を兼ねて切り戻しをすることもできます。

カシスの育て方:冬越し方法

縄で簡単に枝をまとめ、冬囲いします。

カシスは耐寒性が強く、雪の多い北海道でも防寒対策は必要ありません。

ただし、雪の重みで潰れたり枝が折れたりするのを防ぐために、冬囲いをしましょう。
すべての枝をまとめて縄で縛るだけで大丈夫。

もし屋根からの雪が直撃するような場所なら、支柱を組んで他の庭木と同じようにしっかりとした冬囲いをする必要があります。

カシスの増やし方

挿し木で増やすことができます。

カシスは枝を土に挿しておくと根が出て増やすことができます。
春先に株の根元からシュート(ひこばえ)が出てきたら、それを切って鉢などに挿しておくと良いでしょう。
そのまま1年ほど育て、根がしっかり増えたところで植え替えをします。

カシスの育て方まとめ

北海道の家庭でカシスを栽培する場合のポイントをまとめました。
涼しく湿度の少ない北海道ではあまり苦労せずに育てることができます。
あなたのおうちでも、自家栽培のカシスでジャムを作ってみませんか?

最後までご覧いただきありがとうございました。
 

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