沖縄のお土産菓子で有名なのが「紅芋タルト」です。
ところがこのお菓子、複数のメーカーで出しています。
値段は変わらないのですが、どちらが美味しいの?
どちらをあげたら喜ばれるか、気になるので食べ比べてみました。
友人の感想を交えて比較したところ、結論がまとまりました!
紅芋タルト、ナンポーとお菓子御殿製の違い
紅芋タルトの2大メーカーが「お菓子御殿」(旧社名:ポルシェ)と、「Nanpo」表記のナンポー通商です。
お菓子の表記に違いがあり、お菓子御殿のほうは「元祖 紅いもタルト」で、ナンポーの方がひらがなのみの「べにいもたると」となっています。
それぞれの中身を比べてみます。
左側がナンポー、右側がお菓子御殿のです。
形はそっくり。
大きさは、ほんの少し左側のナンポーの方が大きく見えますね。
そして色が結構違います。左側のナンポーの方が薄い色で、お菓子御殿の紅いもタルトは濃い紫です。
次に、それぞれをカットしてみます。
ナンポーの「べにいもたると」をカット。
タルト部分はケーキ並みに柔らかいですが、切りくずが少々出ました。
続いてお菓子御殿の「紅いもタルト」をカット。
こちらはナンポーのほうに比べて切りくずがたくさん出てしまいました。
これはタルトの生地がナンポーの商品と比べてやや固いからだと思われます。
よりタルトらしさがあるとも言えますね。
見た目がそっくりの二つの紅芋タルトですが、並べて比較するとこのように若干の違いがあることがわかりました。
肝心の味はどうなんでしょうか、食べてみましょう。
食べやすいのはナンポーのべにいもたると
ナンポーの「べにいもたると」とお菓子御殿の「紅いもタルト」を食べ比べ!
共通点はここ
どちらも甘さは控えめで、芋らしいホクホク感を残したペーストが使われています。
ほんの少し、お菓子御殿の「紅いもタルト」のほうが甘みが強いかもしれません。
ちなみに賞味期限はどちらも製造から30日です。
商品の価格も同じく1個あたり108円となっています。
ナンポーが好評
わたしを含め4人で食べた結果、3対1でナンポーの「べにいもたると」の方が美味しいという意見になりました。
そのほか、ナンポーのタルトのみを食べてもらった人の感想の中には、「タルト部分が柔らかいのがいい」というもの、
「甘すぎなくて美味しかった」、
さらに「パッケージがおしゃれ」というコメントがありました。
ナンポー好評ですね。
「べにいもたると」と「紅いもタルト」、どちらも美味しいお菓子ですが、同時に食べ比べをした際には若干の風味の違いがありました。
この違いってなんなのかな?
詳しく調べてみます。
ナンポーの「べにいもたると」とお菓子御殿の「紅いもタルト」の原材料には違いがあるのです
この2種類の紅芋タルトは見た目そっくりですが、実は原材料に差があります。
両方の材料表示を比べて分かる、大きな違いはふたつ。
ナンポー「べにいもたると」はマーガリン使用
一つ目の違いはナンポーはマーガリン使用、お菓子御殿はバター使用ということ。
でもマーガリンとバターそれぞれのメリットがあると思うよ。
・マーガリン使用によってふわっと軽い味わいが生まれます。
・バターを使うと生地は固めになるもののサクサク感や深いコクが出せます。
ナンポー「べにいもたると」は白あんが混ざっている
もう一つの違いはナンポーは白あんを加えているという点、お菓子御殿は紅芋ペーストのみという点。
・白あんを混ぜると紅芋本来の味が薄くなる半面、ペーストの滑らかさが増しマイルドな舌触りを加えることができます。
・紅芋100%のペーストは、原料の状態によって仕上がりが左右される反面、素朴な手作りスイートポテトの味わい、食感がそのまま残ります。
どちらが美味しいかは結局好み?!
原材料の違いが大きく分けるとふたつあったんですね。
(細かく見ていくと他にも違いが。
ナンポーのほうには「還元水飴」「紅芋シロップ」「クロレラエキス」が入っているとか、
お菓子御殿のほうには「寒天」が使われているなどの違いもあります。)
それぞれの工夫とこだわりの結果生まれた違いということになるでしょう。
どちらを美味しいと感じるかは、やはり食べる人の好みじゃないでしょうか。
材料を比べてみて、やはり「元祖」を強調しているお菓子御殿(ポルシェ)の「紅いもタルト」の方が、素朴でシンプルな材料にこだわり、開発当初からの味を守るという気概が伝わってくる気がしました。
ナンポーの方は、消費者の心をとらえるのが上手だと思います。
女性の社長さんだというのも関係あるかな?
「可愛くて手ごろでそこそこ美味しいお土産」を探している観光客の事情を分かってるなという感じ。
また、販売契約の関係か、お土産屋さん独自の割引をしていることが多いのもナンポーの「べにいもたると」のほうです。
紅芋タルトをめぐる裁判があった!その結果は
実はこの二つの会社は因縁の間柄のようです。
1986年(昭和61年)から紅芋タルトを製造しているのがポルシェさん。
沖縄県読谷村の村おこしのため、地域の名産品である紅芋を使ったお菓子として開発されたのがこの「紅いもタルト」だそう。
このお菓子のデザイン、製造方法の発案者は「お菓子のポルシェ」なのです。
それに対して、2001年から「べにいもたると」を製造販売し始めたのがナンポー通商です。
これが形状も味もそっくり!
この件でポルシェ側が2007年に裁判を起こしました。
それは「紅イモ菓子類似品訴訟」と呼ばれるもの。
その内容は、
「呼称が類似しており、商品の基本的構成形態も同一。色合いも共通している」ことから、
「消費者を混同させ、営業上の利益を侵害している」とし、
ナンポーのべにいもたるとの販売差し止め、商品製造用の金型の廃棄、1億円の損害賠償などを求めた裁判です。
お菓子御殿が老舗だとわかっている地元人はともかく、観光客は混乱してしまいますよね。
ところがこの裁判、ポルシェ側のこの請求が棄却されたのです。
「紅芋タルトは「ちんすこう」などと同じで沖縄の一般的なお土産として定着しているものだから、1社のみが独占販売するのはおかしい」というナンポー通商側の主張が認められたかたちになります。
この裁判の件を知ってから、個人的にはちょっとビミョーなもやもやが残りましたが(笑)、
消費者としてはおいしいお菓子が食べられればそれでいいのです。
選択肢が広がってよかった気もします。
ナンポーのべにいもたるとはこんな人におすすめ
ナンポーの「べにいもたると」はおしゃれな見た目で高級感があるので、お世話になっている人へのお土産としても失礼じゃないと思います。
パープル系のマルチストライプの箱がおしゃれ。
個包装のパッケージも黒を基調としたデザインで、高級感があるんです。
箱入りは3個入りから16個入りまで選べますから、会社で配るお土産としてもおすすめです。
賞味期限は製造から30日。
もちろん常温保存で大丈夫です。
ナンポーで作っているのは紫色のタルトだけでなく、様々な素材でカラフルなタルトもあり、とても可愛らしい。
何色かセットにしてお土産にするととても見栄えがしますね。
例えば「塩ブラックビターたると」はビターチョコのタルト。
おいしそう!
いちごやマンゴーなどのフルーツタルトもあり、詰め合わせも選べます。
そしてちんすこうがちょっと苦手なわたしも美味しいと思った、まあるい塩ちんすこうがあるのですが、これもナンポーの製品だったんです。
よく沖縄のスーパーでも売っていて、小さな丸いちんすこうが個包装になっていますのでばらまき土産としておすすめです。
紅芋タルトの比較まとめ
今回は沖縄土産の定番、紅芋を使ったタルト菓子の食べ比べをしてみました。
食べやすくて評判が良かったのは、ナンポーの「べにいもたると」の方でした。
パッケージの高級感、なめらかな口当たりやタルトの柔らかさなどが勝因ですね。
しかしわたしのお気に入りはお菓子御殿の「紅いもタルト」なんですよ。
沖縄の親族が買ってきてくれるのもお菓子御殿のほう。
地元で評価されているのはお菓子御殿と言えそうです。
このへんは、また別の機会に記事にしてみますか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました^^
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