北海道名物のひとつに「ザンギ」があります。ザンギとから揚げは似ているけど本当は違うんです!
道産子のわたしが説明します。
ザンギって鶏のから揚げとどう違うんですか?
「ザンギって鶏のから揚げのことでしょ」とよく言われます。
私も「北海道の鶏のから揚げです」と説明することもあります。
「竜田揚げ」とも似ていますよね。
でも、本当は違いがあるんです。北海道民の中でも意見が分かれることがありますが、共通の認識としては「ザンギは単なるから揚げではない。」ということ。
道民の認識の中で代表的なものをご紹介しますと・・・
「ザンギ」は下味付きの肉に卵入りの衣をつけて揚げるもの。鶏肉がメジャーだが、タコザンギやイカザンギなど魚介で作ることもあり、魚介の場合は味付きの唐揚げ粉をまぶして揚げたものも。
「竜田揚げ」は下味をつけた肉に片栗粉をまぶして揚げるもの。鶏肉、魚など。
・・・なのですが、市販の「から揚げ」の中には衣が厚めで「ザンギ」とそっくりなタイプが多いですね。
お料理番組で紹介される「鶏のから揚げの作り方」でも、肉に下味をつけて衣をつけるという方法がよく見られます。
だから、実は今ではもう「ザンギ」と「から揚げ」の違いがわからなくなってしまっているという状況なのです。
北海道の居酒屋のザンギ比較してみた
居酒屋に必ずある「ザンギ」を比較してみました。
それぞれの店によって作り方もこだわりも違っています。
もんきち商店のザンギはげんこつサイズ!
こちらは「もんきち商店」のげんこつサイズのザンギです。添えてあるレモンの大きさと比べるとわかると思いますが、とても大きくて女性の握りこぶしサイズなんですよ!
このサイズを焦がさずにしっかり火を通すには、何か秘密があると思うのですが・・・。
ちなみにこのお店では醤油を使わない「塩ザンギ」でした。
「もんきち商店で北海道の海鮮を注文。安くてフレンドリーなお店です」
ラーメン虎鉄のザンギは大きすぎてびっくり
こちらは「ラーメン虎鉄」の名物、ラーメンとセットのビッグなザンギです。
鶏肉100gを開いて、まるでトリカツのような大きなサイズが1個になっています。
このお店では「塩ザンギ」と「醤油ザンギ」が選べるし、テーブルには「ザンギのタレ」も置いてあります。
「麺や虎鉄はラーメン&特大ザンギの定食がコスパよし!(清田店)」
ザンギにタレをつけて食べるのは、北海道の中でも釧路方面のお店で多いようです。
たれをかけるとなると、ねぎ入りのたれをかける油淋鶏(ユーリンチー)に似てますよね。
カリカリザンギにタルタル
こちらは、札幌の白石区にある居酒屋のカリカリザンギです。
これは肉を浸けこんでしっかり味をつけ、二度揚げしてカリカリにするという作り方でした。
サイズは通常の一口サイズ。
タルタルマヨネーズが添えてあります。
タルタルをつけて食べるとチキン南蛮にも似てくるような・・・。
ポピュラーな札幌ザンギの作り方
さて、最もポピュラーだと思われるザンギの作り方をご紹介します。
これはわたしが勤めていたお店で作っていたやり方。
漬け込まなくても味がしっかりつきます。
卵 1個
小麦粉 大さじ3
片栗粉 大さじ3
生姜のすりおろし ひとかけ分
にんにくのすりおろし 2粒分
酒 大さじ3
醤油 大さじ3
材料はわかりやすくすべて大さじ3にしました。
小麦粉と片栗粉を同量混ぜることで、ふんわりさせつつカリっとした衣ができます。
もちろん卵も鶏肉の肉汁を閉じ込めるために大切な働きをします。
砂糖やごま油を入れるお店もあるようですが、焦げやすいのでこのレシピでは入れていません。
1.一口大にカットした鶏肉をボウルに入れ、その他の材料をすべて入れます。
よく混ぜます。ビニール手袋をして手で揉み込むように混ぜるのが一番しっかり混ざります。
2.しっかり混ざるとこんな感じ。この状態で冷凍保存も可能です。
ここから180度の油で揚げます。
3.2度揚げをします。
奥に見える色の薄いほうが最初に揚げたもの、手前が2度揚げしたものです。
1度目はほんのり表面がきつね色になった頃に取り出し、余熱で火が通るよう少し置きます。
その間に次の肉を揚げていきます。
2度目はこんがりカリっとするまで揚げます。
よく耳を澄ませていると油の音が軽い感じに変わりますので、そのタイミングで取り出すと揚げすぎることがありません。
4.できあがり。このままでしっかり味のあるザンギです。
まとめ
北海道名物の「ザンギ」は鶏のから揚げと似ていますが、厳密には違いがあります。
今ではいろいろな創作ザンギが多いので、北海道の居酒屋で食べ比べてみるのも楽しいですよ。
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