北海道で獲れる激旨で希少な魚、とげとげの八角(ハッカク)を食べたことはありますか?
お刺身にしても、焼き物にしてもものすごく美味しい魚です。
でも皮が固くてさばきにくいので、魚屋で見かけても買うのを躊躇してしまうかもしれませんね。
- そこでこの記事では、ハッカクの捌き方を画像で紹介します。
- 記事の後半では、ハッカクの美味しい食べ方もまとめました。
- また八角がアンモニア臭いときにどうしたらいいかも書いています。
よかったら参考にしてみてください。
八角とはこんな魚・雄雌の見分け方
八角とはこんな魚です。
顔立ちは、熱帯魚の「ガー」とか、あとは「ホウボウ」とかにも似た、長いくちばしがあるのが特徴。
ちょっとかわいいですね。
頭が大きく、背びれはふたつあります。
(画像では後ろ側の背びれと下の尻びれを広げていますが、頭側にももうひとつ背びれがあるんです)
見分け方ですが、この写真のように後ろ側の背ヒレと尻びれが大きいのがオスです。
雌だとヒレは全然大きくありません。
雄の方が体つきがごつごつして、黒い鎧のような表面をしています。
それと比べると雌はやや丸くて赤っぽく、ごつさに欠けます。
ちなみにどちらかと言えばオスの方が美味しいと言われています。
八角のさばき方手順
では、ハッカクをさばいていきますね。
今回は板前修業をしていた夫くんが捌くところを撮っています。
包丁は出刃を使っていますが、良く切れるなら三徳包丁でもOKです。
まず頭を落とし、内臓を取り出します。
ひっくり返して柔らかいのどの下あたりに刃を入れ、胸びれと一緒に切り落とします。
続いて腹側の皮をヒレと一緒に削いで取ります。
皮は固めなのでそんなに難しくありません。ただヒレの骨が長くて固いので手に刺さらないように気を付けてくださいね。
ひっくり返して背中側も同じように削ぎ取ります。
さっと洗って水分を切っているところ。
焼き魚にするならこれで終了です。
お刺身にする場合は、このあと残っている横の皮もはがします。これは手で剥くことができます。
それから三枚におろし、薄くスライスしてお刺身に。
ハッカクの身は脂が多くてとても美味しいです。
八角の塩焼きは甘い脂が味わえる
しかし、今日はグリルで塩焼きになりました。
焼くと、横の皮はぺりぺりと簡単にはがせます。
脂がジュウジュウいってます!
八角の食べ方いろいろご紹介
八角は白身でクセのない味ですが、何といっても脂が多いのが特徴。
甘い脂を逃がさず食べられる調理法がおすすめです。
大きい八角なら断然お刺身!
お刺身なら口の中で溶ける食感を楽しめますよ。
お刺身にするならやっぱり大きいものほど美味しいです。
鍋や味噌汁なら旨みが汁にたっぷり出ます
それから八角は頭がかなり大きいので、頭を落としてしまうと「ちっちゃ!」とがっかりすることがあります。
小さい八角なら鍋にしちゃうのもあり。
ただし食べるときに皮を外すのが面倒だったら、初めに皮を全部向いてしまってからぶつ切りがいいかな。
それでも骨は残りますけれども、ぜひ骨はつけたままで。骨からもものすごく出汁が出ます。
濃厚な味が出るので、味噌味の鍋が一番合うと思います。
単純に味噌汁でもいいです。
お刺身用におろしたあとの頭と骨まわりを使えば無駄なく食べられます。
頭は食べるところないけど、出汁が出ますよ。
軍艦焼きで特別なおもてなしにも
塩焼きでシンプルに味わうのも美味しいですが、
ちょっとおもてなし感を出したいときは「軍艦焼き」がおすすめ。
みじん切りしたねぎを混ぜたネギ味噌にしてもいいですね。
私が働いていたお店では炭焼きだったので、皮がパリッと香ばしく焼けて、身からふつふつと出てきた油と味噌が混ざってこんがり焼けていいにおい。
しっかり焼けた皮もパリパリと食べれるんです。
お客さんには大好評でした。
八角の旬はいつ?
夏はアニサキスが入っていることが多いので注意が必要です。
それに秋に産卵するのでその直前の夏だと身が痩せていることが多いですから、夏の八角は冬の八角に比べるとあまりおすすめできません。
といっても、希少な魚なので、見かけたら見逃さず買って食べてみてほしい。
北海道では、八角は季節を問わずたまにスーパーに並びますが、数は少ないですね。
北海道では八角だけを獲る漁がおこなわれているわけではなく、地引網や底引き網に入ったものが流通しているだけなので、いつ出会えるかわからないのです。
この頃は関東へも高級魚として送られているようですね。
でも地元スーパーだと値段は意外と安く売られていますよ~。
八角を選ぶときのコツ
八角は、分類としては「トクビレ科」になるそうで、その大きなヒレに由来しているそうです。
「八角」というのは、オスを輪切りにした断面が八角形だから。メスだと八角形じゃなくて普通に丸いですけどね。
北海道では「ガガラミ」とか「マツオ」と呼ぶ地域もあります。
オスは黒っぽい、かっこいい外見ですが、雌はちょっと赤っぽい色をしています。
どちらも鎧で覆われたようなごつい見た目です。
八角が臭いと思ったときは
これは魚屋に勤務していたわたしの経験上なのですが、八角は身からアンモニア臭のようなにおいがすることがあります。
アンモニア臭は深海魚によくある特徴ですね。
深海から海面近くに移動するときの浮力調整のためにアンモニアを活用していると言われています。
イカやアンコウなども深海魚なのでアンモニア臭いときがあります。
実は八角も深海で過ごすことが多い魚です。
もちろん、水揚げされたばかりで鮮度がいいと嫌なニオイはしません。
他の魚と同じく、八角も目が澄んでいて体の色がはっきりしているかどうかで鮮度を見ます。
でも珍しい魚なので、はじめて見る場合などは鮮度が落ちても見分けにくい可能性がありますよね。
アンモニア臭がしても八角は食べられます
もし捌く段階で、なんとなくアンモニア臭いな、と思ったら残念ながら鮮度が落ちています。
といっても八角の場合、少々アンモニア臭がするからといって腐敗しているわけではありません。
(もちろん、ハッカクの白い身が黄色く変色していたり、身にぬめりが出ていたら腐っていますよ!)
鮮度が落ちるとお刺身にはできませんが、焼き物なら十分美味しくいただけます。
アンモニア臭はしっかり火を通すと気にならなくなりますので、この記事で紹介した「軍艦焼き」の要領でネギ味噌をのせてパリッと焼いてみてください。
私がいたお店では、アンモニア臭が出てしまった八角の刺身用柵は、一口大に切って天ぷらにして、賄いで食べていました。
八角は天ぷらにすると八角の脂が衣に閉じ込められて、ジューシーで甘くて激うま!
今思えば贅沢な賄いでしたね。
まとめ
北海道ではよく見かける「八角」は背びれと腹びれを皮ごと削いでから調理します。
お刺身にも焼き物にも鍋にも美味しい、脂ののった魚です。
売っているのを見つけたらぜひ試してみて!
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